開発ストーリー 3

モジュールの多機能化、縮小化

 近年、スマートフォンの高機能化に伴い、内部モジュールのさらなる多機能化が求められています。一方でバッテリー容量・サイズが増大しており、モジュールの搭載スペースは縮小しています。そのニーズと制約に対する一つの解決策が、マルチチップモジュール化を可能にする配線板の活用です。
新たに開発された銅バンプ付きプリント配線板は、半導体チップを配線板の表裏に実装することを可能にし、モジュールの省スペース化と、多機能化を実現します。

モジュール配線板の小型化を実現

 銅バンプ付プリント配線板の表裏面にチップ実装する事で、モジュールの小型化と多機能化(マルチチップ実装)の両立を可能にします。従来モジュールは、メイン基板とモジュールを接続する外部接続端子に、形状制御が困難なはんだボールを用いるため、メイン基板とモジュール間の高さや、外部端子間の距離の設計に制約がありました。本配線板は外部端子として銅バンプを、パターン銅めっきの応用製法によって形成しています。外部端子とチップ実装を同一面に設計したり、バンプピッチの高密度化(最小ピッチ=0.40mm)が図れるなど、回路設計の自由度を向上します。

マルチチップモジュール配線板小型化イメージ図

接続信頼性と放熱特性の高い
マルチチップモジュールを可能に

外部接続金属にはんだボールを用いた場合、部品実装時のリフロー処理の影響で、マルチチップモジュール側の銅配線がはんだへ拡散し、メイン基板への接続信頼性が低下する課題がありました。同接続部に、銅バンプを用いると、リフロー処理時に結晶配列が強固になり、接続信頼性に優れたマルチチップモジュールを実現することが出来ます。また、はんだと比較し、銅の熱伝導率や接触抵抗は優れ、導体損失も小さいため、マルチチップモジュールの放熱性も高くなり、半導体チップの熱対策に貢献します。

銅バンプの優れた放熱特性と結合強度

はんだと銅の放熱特性比較
金属 測定温度[℃] 比熱[g/cm3] 熱伝導率[W/m・K] 熱膨張係数[x10-6/℃] バンプ強度[g/φ0.22mm]
20 419 372 17.7 430
はんだ(50Sn) 20 176 49 49.0

銅バンプと銅回路の結合

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