開発ストーリー 4

職人技が光る”プレミアムな配線板”

 マルチワイヤー配線板(MWB: Multi Wiring Boards)をご存知でしょうか。一言で言うと、銅線(ワイヤー)を信号配線とする、ユニークな配線板です。
MWBは一般的なエッチングで回路形成する配線板とは違い、ポリイミド樹脂で絶縁被覆されたワイヤーをコンピュータ制御された布線機を用いて絶縁層に埋め込む、回路形成構造です。
芯径はわずか0.065~0.10㎜のワイヤーを1本づつ布線(配線)していきます。当社がお客様にご提供できる職人技が光る”プレミアムな配線板”といえます。

圧倒的な高集積化を実現する

 MWBは、これまでに高い信頼性が必要とされる配線板に採用されてきました。それは半導体検査機、プローブカード、交換機、ハイエンドコンピューター…etc
MWBの進化はこれからも続きます。

圧倒的な集積度(一般多層板の2~3倍)

 絶縁被覆された銅線は自由に交差配線ができるため、高密度配線および層数低減が実現できます。1層当たりの信号配線の収容能力は一般多層配線板の2~3倍です。
限られた配線領域での高密度配線は、配線長の精度向上と配線層数の低減が図れます。また、多層配線板とのハイブリッドタイプの製造も可能です。
※上記は、当社比または当社実績値であるため、保証値ではありません

安定した特性インピーダンス特性(基準Zoの±3Ω)

 信号線は均一な銅線(公差±3μm)を使用するため、電気特性の理論値と実績値が一致しやすく、要求特性の実現が容易に行えます。
特に、基板製造ロット間のZoばらつきが小さく、安定した電気特性を得られます。

設計の容易性

 電気特性を活かした配線設計が容易なため、開発時間(「開発時間」と「設計時間」を含めたトータルの開発時間)が半減できます。また、設計の自由度も高く、配線変更も容易に行えるため、設計時間の更なる短縮が図れます。配線設計は、専用の設計ソフトで対応いたします。

安心できる設計・技術サポート

 経験豊富な技術・設計者により細かなサポートを行います。また、必要に応じて現地への設計者の派遣も可能です。事前にご相談くだされば、開発段階からお話を頂くことで、MWBでのソリューションのご提案をいたします。

互換性のある設計インターフェース

・ワイヤー配線のODB++とGerberをユーザー様のCADへ取り込めるため、設計の検証ができます。
・多層配線板の信号配線パターンからMWBのワイヤー配線パターンへの変換も容易に行えます。
※お客様よりご支給頂くデータは、通常の多層配線板のデータに加えて、部品レイアウトとネットリスト、CAD情報などです。

MWBの設計(1) ~CADインターフェイスベース~

MWBの仕様例

MWBでは65μmの均一な絶縁被覆ワイヤーを採用して、超高多層・高密度配線板を実現いたします。
項目 単位 仕様
配線密度 - 1本/0.65mm
2本/1.00mm
2本/0.8mm
ワイヤー径 μm φ100,φ80(公差±3μm)
φ65(公差±2μm)
配線層数 2~20層(MLBの6~50層)
電源・グランド層数 2~42(板厚7.4mm時)
最大製品サイズ mmxmm 600×550
最大板厚 mm 6.3 板厚6.3mm:最小ドリルφ0.25
板厚7.4mm:最小ドリルφ0.30
最小ドリル径 mm O0.30(O0.25*) O0.25
特性インピーダンス - ±5~10%
等長配線精度 - 誤差±1.27mm
クロストーク - <2 %(Tr=1ns)

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